島根県の日本海側のほぼ中央に位置する江津の浅利エリア。北側はすぐに日本海、南側は牧歌的な里山や畑地が広がる地域です。この大きな敷地に「あさりの杜」をみなでつくっていきます。
日本には「八百万の神」という言葉にあるように、森羅万象(物質、生命、現象、ありとあらゆるもの)には神が宿るという考え方が古くから伝えられてきました。
「杜」という神聖な言葉を選ぶことでこの土地に感謝の気持ちと祈りの心を持ち、愛情をもって活動していきます。
また、ここで生まれるコミュニケーションを通じて、自然の摂理という大きなルールの上で私たちの暮らしは成り立っていることに気付ける場所、戻ってこれる場所でありたいというふうに考えています。
この国、この土地で暮らすということ。太陽や水、空気に至るまで私たちは大自然から受けるめぐみによって生かしてもらっている存在であることをふと感じ合えるような場所。自然との共存、畏敬の念をもって自分にとっての暮らしのあり方とは一体なにかを考え、その想いを集う方々と共有していきたいと思っています。
あさりの杜の集まる人たちによって作られるスピリットが、次世代に継承できるように様々なことをここで実践していきます。そしてそれは決して歯をくいしばってがんばるようなことではなく、誰もが楽しめなければいけません。
「あさりの杜」の運営主体者である平下智隆(株式会社三維 代表)と「杜の休憩所 LAUGH ROUGH」を運営するNAO FARMの深町桂市。両氏は江津の海をこよなく愛するサーファー。2020年からの数年間、COVID-19の影響で社会全体が閉鎖的になっている中、海で久しぶりの再会を果たします。
海から上がって火を囲み、どちらともなく「この町をオーガニックタウンにしていきたい(※)」という想いで共鳴します。
自然に寄り添うことを徹底するナチュラルスキンケア事業者と、オーガニックを重んじ、有畜複合循環型農業に取り組む農家。二人の再会は必然だったのだろうと我々自身、振り返ります。そしてこの日この海で「あさりの杜の構想」が生まれました。
自分たちが過去数十年に渡ってやり続けてきた事業。そこに重ね合わせるようにあさりの杜を創造していくこと。それこそが我々にとってこの町で暮らすことイコールであり、ライフスタイルそのものです。
(※)江津のオーガニックタウン構想への想いは江津市と市民が取り組む 『有機農業の推進プロジェクト』として2023年、『GO-ganic(ゴーガニック)』として公式に体系化されることになりました。
この土地に新社屋をつくり、ナチュラルショップとカフェラウンジ棟を建設し、パーマカルチャーの視点からフィールドづくりをスタートさせていくにあたって、まず数年は「土を良くする活動」を実践します。
元来、浅利という地域は石見焼きをはじめとする、陶芸産業が盛んな場所でした。良質な粘土が取れることが何よりの証左です。もっともそういった土地は水が滞りやすい環境です。過去、人工的な手によって変わってしまった土地の水系。土壌再生に向けて今一度この土地としっかり向き合わなければなりません。
このような環境を良くしていくアイデア、ソリューションとして「大地の再生」という手法を用い、土中の環境改善をしていきます。
2022年12月、あさりの杜の敷地は、川の護岸工事や道路の開発などで盛土をされた人工的な開発敷地で、当初は車が入るとタイヤが地面にはまり重機でひっぱりださないと抜け出せないほどの場所でした。
土を掘れば「グライ層」という灰色の臭い土が出てくる状態で土は窒息している状態。土中の環境の劣化状態は明白でした。植生でいっても葛や茅、セイタカアワダチソウが蔓延り、この土地は荒地だったと解釈できます。
2023年から本格的に豊かな土地づくりと生態系を取り戻すための活動を実施。「大地の再生」の実践と啓蒙活動をする下村京子氏と上村匡司氏がこの土地での見立て講座をすることからはじまり、敷地利用の計画、それに伴った土中の環境を整備する計画をつくり、水脈整備を行うことになりました。
私たちが描いていることは、かつて荒れてしまったこの土地の生態系を取り戻すことによって海も山も里もきっと豊かになっていくだろうということ。さらに言えば地理的にその要となる場所がこのあさりの杜であるということ。
「この土地を傷めず、穢(けが)さず、大切に使わさせていただく」という前提を建築設計チームのみなさんや工事業者さんのみなさんと共有しています。
この場所は、私たちの場所ではなく、地球から借りている土地です。動物、虫、微生物、そして人にとって豊かにしていく責任があると思っています。この場所を一緒に育てていきたい!という方や、関わりながら地域づくりの糧にしていきたい!という方を広く歓迎します。
わたしたちは、この場所を通して、2世代先(約50年先)の子どもたちに、実り豊かな場所をギフトしていこうと考え、この場所をみんなで育てていこうと決断しました。
未来の子どもたちに豊かな場所をつくるためには、さまざまな学びと経験、実践が必要だと感じています。なので、専門家の方から学ぶ機会や、ワークパーティ、ボランティアの受け入れなどを積極的に行っていき、学び合いながらこの場所を育てていこうと考えています。
営業日|月・火・水・木・金・土・日
営業時間|10:00-18:00
NAO FARM Cafe ランチ営業 11:30-14:00|金・土・日
みついの社食 ランチ営業 11:30-14:00|月・火・水
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